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生成AIの偽情報で世論が誘導される不安、9割が「感じる」 読売新聞の世論調査と、届いた情報の確かめ方

生成AIの偽情報で世論が誘導される不安、9割が「感じる」 読売新聞の世論調査と、届いた情報の確かめ方

公開日 更新日

読売新聞社は2026年10月14日、10月15日からの新聞週間に合わせて行ったメディアに関する全国世論調査(郵送方式)の結果を公表しました。生成AI(画像や動画などを作るAI)によって偽情報を作りやすくなり、世論が誘導される不安を「感じる」と答えた人は91%で、「感じない」の7%を大きく上回りました。(出典①)

選挙をめぐるSNSの偽情報についても、事業者の対策を十分だと思わない人が90%に上りました。

この記事でわかること

  • ・生成AIの偽情報と選挙について、読売新聞社の世論調査で示された数字
  • ・ファクトチェックや、発信者を示す技術に寄せられた期待
  • ・届いた情報を人に回す前に確かめる4つの点

生成AIの偽情報で世論が誘導される不安を、9割が感じている

世論調査の質問は、インターネット上のデータを学習して画像や動画などを作る生成AIによって偽情報の作成が容易になる、と説明したうえで、世論が誘導される不安を感じるかを尋ねています。答えは「感じる」が91%、「感じない」が7%でした。(出典②)

不安の強さは、選挙への懸念とも重なっていました。SNSの偽情報が選挙結果に影響することを「懸念する」と答えた人では、世論誘導の不安を「感じる」が95%に達しました。「懸念しない」と答えた人(回答者の10%)では「感じる」が60%、「感じない」が38%で、懸念する人に比べると不安は低めでした。(出典①)

SNSの偽情報が選挙に影響する懸念は、昨年に続いて9割前後

選挙とSNSにかかわる3つの質問の結果は、以下のとおりです。

質問2026年の調査2025年の調査
SNSで広まった偽・誤情報が、選挙結果に影響することを懸念するか懸念する 89%/懸念しない 10%懸念する 91%/懸念しない 7%
選挙期間中の偽・誤情報に対する、SNS事業者の対策は十分か思わない 90%/思う 8%思わない 85%/思う 13%
選挙期間中、SNS事業者に投稿者への収益の支払いをさせない規制は必要か思う 84%/思わない 14%—

※読売新聞社の世論調査(2026年10月14日公表)の「質問と回答」と関連記事から作成。2025年の欄は記事中の「昨年調査」の数字で、収益の規制の質問は記事に2025年の数字が示されていないため「—」とした

選挙結果への影響を「懸念する」人は、18〜39歳、40〜59歳、60歳以上の3つの年代に分けて見ても86〜90%で、どの年代でも大半を占めました。読売新聞は、2026年9月の沖縄県知事選で、生成AIで作られた偽画像や偽情報が広がったことも伝えています。(出典③)

収益の支払いを止める規制の質問は、投稿の閲覧数が多くなるほど広告収入が増える仕組みが、偽情報が広まる背景にあると指摘されている、と説明したうえで尋ねたものです。選挙の偽情報を扱った読売新聞の記事によると、規制が必要だと「思う」人の割合は年代が上がるほど高く、18〜39歳の76%に対して、60歳以上では89%でした。

ファクトチェックと、発信者を示す技術にも期待が集まる

報道機関が選挙に関するSNSの情報の真偽を確かめる「ファクトチェック」には、78%が「期待する」と答えました。2025年の調査の82%からは下がり、「期待しない」は15%から19%に増えています。(出典③)

インターネット上の記事や広告に、誰が発信したかを示す技術「オリジネーター・プロファイル(OP)」の導入を進めるべきだと「思う」人は90%で、2025年の調査と同じでした。OPは、情報の作成者や発信者を証明して利用者に示す仕組みです。読売新聞によると、OP技術研究組合が2024年度から総務省の支援を受け、実用化に向けた開発や実証に取り組んでいます。(出典④)なお、OP技術研究組合の公式サイトに載っている参画企業の一覧(2026年10月現在)には、読売新聞東京本社も入っています。(出典⑤)

調査は全国の有権者3,000人に郵送し、2,000人が有効回答

読売新聞社が公表した調査方法によると、全国の有権者から無作為に3,000人を選び、2026年8月24日に調査票を郵送しました。9月30日までに返送された調査票から、対象者以外による回答などを除いた有効回答は2,000で、回答率は67%です。(出典②)同じ調査では、新聞の報道への信頼や、新聞に期待することもあわせて尋ねています。

届いた情報は、人に回す前に4つの点を確かめる

調査では、多くの人が偽情報に不安を持ちながら、SNS事業者の対策は十分ではないと答えていました。対策が整うのを待つ間も、自分の手元に届いた情報を確かめることはできます。総務省は、インターネット上の情報の確認方法として、次の4つを挙げています。(出典⑥)

  • ・他の情報と比べる:ネットで検索して、複数の情報を読み比べます。本や新聞など、ネット以外で調べる方法もあります
  • ・発信元を確かめる:誰が出した情報かに加えて、その人やサイトが信頼できるかも確認します
  • ・いつの情報かを確かめる:もとの情報が古ければ、今とは状況が違っている場合があります
  • ・一次情報をたどる:引用や伝聞なら、もとになった情報源を探して確かめます

総務省は、正確かどうか判断できない情報を、安易に投稿したり拡散したりしないことも大切だとしています。この4つの点は、選挙の時期に届いた画像や動画にもそのまま使えます。誰が最初に出したものかをたどれないときは、確かめられるまで人に回さないようにしましょう。

まとめ

読売新聞社の世論調査では、生成AIの偽情報で世論が誘導される不安を「感じる」人が91%、SNSの偽・誤情報が選挙結果に影響することを懸念する人が89%でした。SNS事業者の対策を十分だと思わない人も90%に上っています。

届いた情報は、他の情報と比べる、発信元を確かめる、いつの情報かを確かめる、一次情報をたどる、の4点を確かめてから人に回しましょう。確かめられないものは、拡散を控えておくと安心です。

出典
Fact Check Lab編集部

この記事を書いた人

Fact Check Lab編集部

世の中で話題になっている情報のみならず、生成AIの精度やハルシネーションの検証・分析を行う編集部。誤情報は、意図的な嘘だけでなく、事実の一部が伝わる過程で欠け落ちたり、文脈から切り離されたりすることでも生まれる。だからこそ、疑うことよりも確かめることを大切にする。不偏不党の精神で発信元をたどり、一次情報にあたる。

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